御伽噺やメルヘンじゃあるまいし

今日だから言える。
僕は恋愛というものをしたことがない。
というか、「恋」というものがどういうものか分からない。
人を、異性を好きになるというのがどういう気持ちか分からない。


「愛」ならなんとなくわかる。
「大切な人を大切に思う気持ち」だろう。
この気持ちならば、母や妹に対して、うっすらと、だが確かに抱いている。
どの本やテレビを見てもこの解釈で間違ってはいないはずだ。


では、「恋」とは何か。
SEXをしたいと思う気持ちか、その相手を求める気持ちか。
優れた人物を「自分のもの」にしたいという独占欲か名誉欲か。
金銭面で支えてくれる金づるがほしいのか。
家事をこなしてくれるお手伝いさんがほしいのか。
それとも、
まわりがそうしている、そうすることになっているから、という強迫観念によるものか。


僕は、「そうすることになっているから」などといった文化的枠組みには囚われたくない。


「恋は流行り病のようなもの」という言葉があったように思う。
このとおりだとしたら、僕のような流行に鈍感な人間は、
それに陥らないとしても不思議ではないのだろう。